喜田真に小説の才能はない

執筆を楽しんで書き続けるプロ作家志望者のフロンティア

住野よる 著『君の膵臓をたべたい』(+おまけ)読書感想文

time 2017/01/21

年末年始はインプット三昧の生活でした。
その際お世話になった一冊が『君の膵臓をたべたい』です。

じわじわとロングセラーの本作は累計70万部を突破して
本屋大賞の2位となり、映画化もされます。

ネットでかいま見た書籍化されるまでの経緯がユニークで、
僕もずっと気になっていました。
かいつまんでご紹介します。

元々は小説の新人賞に応募したそうですが、高評価を得られず
一次落ちだったそうです。

お蔵入りも忍びないということで『小説家になろう』へ投稿。
一部界隈では熱烈に支持されるものの、異世界転生が全盛の『なろう』
では異色だったため、出版社からの直接オファーはなし。

ところが住野さんの知人であるプロ作家が編集者に口添えしたことで
状況が一変し、出版されます。
あとは人づてに広がっていき、今に至るというわけです。

書籍化から出版後の大ヒットまで含め、口コミが多大な貢献をしています。
というか今のご時世、売れるためには派手派手しい宣伝よりも、地道な口コミ
不可欠なのかもしれません。

閑話休題。
肝心の内容ですが、『世界の中心で、愛をさけぶ』や『四月は君の嘘』と
同系統になります。

ヒット作に対して不遜な物言いを承知で申し上げますと、さほど
真新しさを感じませんでした。

涙腺を刺激するであろうポイントも「死」にまつわることでポピュラーですし、
キャラクターも斬新と呼べるほどじゃなかったと思います。

個人的には、主人公とヒロインの関係性が『クビキリサイクル』における
〈戯言遣い〉と〈青色サヴァン〉を彷彿とさせました。

ただ、この作品には抜群に秀逸な部分があります。
それはずばりタイトルです。

ネット小説では作品の題名とあらすじによってアクセス数が増減します。
『なろう』にしても幾多の作品が掲載され、ランキングやレビューを除けば
読者がぱっと見で選別する基準がタイトルになるからです。

そこを考慮すると『君の膵臓をたべたい』という題名は実にキャッチーです。
「どういう話だろう?」とあらすじや本文を一読させる訴求力が十二分にある。

ヒットの要因はタイトルだけじゃないでしょうけど、住野さんの
ネーミングセンスはぜひ見習いたいと思いました。
あとヒロインの親友と主人公の絡みは面白かったです。

ついでにもう一冊、『ちょっと今から仕事やめてくる』にも言及します。
こちらはメディアワークス文庫賞の受賞作になりまして、今何かと話題の
殺伐としたブラック企業が舞台の物語です。

新人営業マンが自殺を意識するほど追い詰められたとき、小学校の同級生を
名乗る青年と出会い、活力を取り戻していきます。

二人のかけ合いが『夢をかなえるゾウ』みたいで、すらすら読める作品でした。
惜しむらくはヒロインが登場しないことでしょうか。

『ビブリア古書堂』シリーズの栞子さんみたいな女性が一人でもいれば、
なお傑作だったような気もします。

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コメント

  • こんにちは。
    こちらでは、初コメです(*^_^*)

    へぇぇ!

    『君の膵臓をたべたい』、とても読みたくなりました。

    by Shizuka €2017年2月10日 4:25 AM

    • Shizukaさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます。
      旧ブログでも『小説家になろう』でも、大変お世話になりました。
      こちらでもよろしくお願いします。

      『君の膵臓をたべたい』は読書に感動を求めている方向けかと思います。
      ブログには書きませんでしたが、主人公の呼ばれ方が変わっていてユニークでした。
      ご興味があれば、手に取ってみてください。

      by 喜田真@管理人 €2017年2月10日 12:00 PM

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喜田真(きだまこと)

喜田真(きだまこと)

凡才の小説家もどき。 コスパいいガジェットやフリーソフトに目がない。 趣味レベルでプログラミングも嗜む。 [詳細]

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