喜田真に小説の才能はない

執筆を楽しんで書き続けるプロ作家志望者のフロンティア

僕のルーツはRPGツクールにあり

time 2016/12/03

大学生時代、ゲーム好きの延長線上で『RPGツクール2000』というソフトを買いました。
僕にはとある人生設計があったのです。

当時毎月開催されていたゲームコンテストに応募して賞を取り、あわよくば
ゲーム制作会社にシナリオライターとして就職するのが理想でした。
今考えると、実にツッコミどころ満載な未来予想図ですね。

一人でゲーム作りを始めて間もなく、もくろみが一筋縄ではいかないことを痛感します。
「言うはやすく、行なうはかたし」と評すべきかもしれません。

プレイヤーとして2・3分で素通りする単調な場面でも、作るとなると
その数十倍の時間を費やさねば形にならない、と知ったのです。
これはゲーム制作に限らず、あらゆる創作で直面するもどかしさでしょう。

四苦八苦しながらもエンディングまで完成させ、念願のコンテストに応募しました。
結果は惨敗。
無論ゲーム会社で働くことなく今に至ります。

落選作を供養の意味でベクターに公開し、以後ゲーム作りはしていません。
当たり前ですけどゲームってグラフィックがあって音楽があって、システムもあるうえ
ゲームバランスも考慮しつつ、デバッグもしなくちゃならない。

ある程度素材はあるにせよ、全体の調和があってこその娯楽なのだと実感しました。
ただ、僕にとって重要なのはストーリーであり、そこだけを表現したいならゲームに
こだわる必要ないよね、というのが小説に行き着くきっかけです。

そこから修羅のごときワナビ道を邁進するわけですが、ゲーム作りは執筆だけでなく
もう一つ楽しさを発見する契機となりました。

ずばりプログラミングです。
RPGツクールは本来コーディングしていくゲームを、視覚的・直感的に操作できるよう
制作過程を簡略化したソフトウェアになります。

ただし細かい設定をするうえで、プログラムの作法は避けられません。
何かのイベントを発生させるためのトリガーを用意したり、条件分岐によって
処理の場合分けをしたり、繰り返しのループを盛りこんだりもします。

あと、機械なので融通は利きません。
人間だと枝葉末節を多少はしょっても文脈などから類推できますけど、
機械は書かれたことしかやらないのです。

しかも正しくないコードを記述しようものなら、自発的に修正なんてしてくれる
わけもなく、延々と間違った処理をしやがります。
これがいわゆるバグです。

反面、自分が狙った通りの処理になれば「よっしゃ!」とうれしくなりますけどね。
なんとなく『ドミノ倒し』と似通ったものがあるのでは、などと思います。

小説は読者がいて初めて成立するエンタメですけど、プログラミングは
必ずしも他人のために作ることが求められません。
自分だけが使う、という自己満足でもいいのですから。

小説とプログラムの両輪で僕の趣味趣向は構成されていますが、両方の起点になった
という意味において、RPGツクールとの出会いは運命的だったのかもしれません。

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自己紹介

喜田真(きだまこと)

喜田真(きだまこと)

凡才の小説家もどき。 コスパいいガジェットやフリーソフトに目がない。 趣味レベルでプログラミングも嗜む。 [詳細]

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